なかがわの「すらごついうなやん」

「すらごついうなやん」とは「ウソ言ってんじゃねーよ」というような意味です。

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つゆか(仮題)01

突然ですが、過去に書いた小説(のようなもの?)を掲載してみることにしました。
ま、全然完結してないんですが。
ラストは考えているので、きちんと終わる可能性も無きにしも非ずです。

タイトルは「つゆか(仮題)」です。
いいのが思いついたら差し替えます(^^;

これといって事件も起こらない、なんちゃない話です。
会話のテンポとか楽しんでいただけると幸いです。

では、どうぞ。
つゆか01


第1話 露花(1)


女子中学生というものは、
彼氏がいたり、片思いでも好きな男の子がいたりしないと
存在を許されないものだろうか。

いや、そんな事はない。
現にあたしは、彼氏もいなければあこがれる男子もいない。
さらに言えば、好きな男性タレントすらいない。
でも、こうやって普通に中学生ライフを送っている。

「ちゅーか!ちゅーか!」

親友の亜子があたしを呼んでいる。
断っておくが、あたしの名前は『中華』ではない。
露花。武原露花(たけかわつゆか)。
「つゆか」が変化して「ちゅーか」になった。
人によっては「ちゅー」とか、「ちゅー子」とか呼ぶのもいる。

「ねー、ちゅーか、聞いてよ!」
「どうしたん? 大統領でも暗殺されたか?」
「そんな事じゃないって!」
「そんな事・・・」

大統領暗殺は“そんな事”ではないと思うぞ、友よ。

「すごいイイ事があったのよ~!」
「ほほう、どんな事かね?」
「足、踏まれたのっ♪」

双方のテンションの差が著しい空間に流れる沈黙というものは、
これがなかなかに居心地の悪いもので。(もちろん低い方ね)

「小石原亜子くん、あたしの心にある友達名簿から
 君の名を削除してもよいかね?」
「え~、なんでよ~?」
「足踏まれて喜んでるような友達は要らない。」

キョトンとする亜子。
そして「ああ!」と気が付き、右拳を左手の平にポンと乗せる。
そのポンの瞬間に、亜子の影からもう一人の親友、みかちんが
「ガッテン」とコンピュータボイス風に合いの手を入れる。

「グッジョブ。」

あたしのサムアップに、みかちんもサムアップで返す。
挿絵01

そんな二人のやりとりも知らぬげに、

「ごめんね、ちょっと言葉足らずで。」
「いやいや、分かってくれればいいのだよ。」
「うんうん。」

いつの間にか、みかちんも会話に参加している。
かまわず亜子は続けた。いつものことだからだ。

「あのね、さっきね、男子が4~5人でふざけててね、
 その横を通りかかった時に、神代(くましろ)君が
 よろけてあたしの足を踏んだのよ!」

ちょっとどころか、全然足りてませんな、亜子君。
それに、こんな台詞を口にする場合、通常は怒りを込めると思うが、
亜子は満面の笑みを浮かべていた。
賢明な読者諸兄はお気付きだと思うが、神代君は亜子が想いを寄せる
同じクラスの男子生徒だ。

「それで?」
「それでね、神代クンがね、」
「君がクンになったぞ。」
「その微妙なニュアンスは重要だ。」
「『ゴメンな、怪我しなかったか?』って心配してくれてね。」
「聞いちゃいねぇ。」
「まぁ、よかったな。」
「うん♪」

あたしの「よかったな」には、2つの意味があった。
ひとつは、純粋に友の恋愛が一歩進んだこと。
ふたつめは、友が変な性癖の持ち主ではなかったことだ。




色めきたっている。
(あたしの周りでは主に亜子が。)

体育の時間。
もちろん、男子と女子は別だ。
女子は今日はサッカーをやるらしい。マジで?
先生が注意事項なんかを話している。
すると、ボチボチ優等生の亜子が先生の話も聞かず、
あらぬ方向を向いて、小さく手なんか振っている。
そっちを見てみると、予想違わず神代が手を振り返していた。
男子は持久走のようで(ご愁傷様)ストレッチをしていたらしく、
神代の行動に周りの男どもが気付き、神代の首を絞めたり、
ボディにパンチがめり込んだりしていた。

まぁ、気持ちはわからんでもない。
亜子は、あたしでもうっかりすると
唇を奪ってしまいたくなる衝動に駆られる程の美少女なのだ。
亜子を狙っている男子は片手では足りるまい。
亜子に惚れられた幸運には、不幸もセットでついてくるようだ。


何度もいうが、色めきたっている。
てゆーか、色めきたっていないあたしが変なのか?

別にあたしは男子が苦手というわけではない。
興味がないだけなのだ。
まぁ、どきどき話しかけてくる男子もいるけど、
その時は普通に対応できる。
それにクラスの男子の顔と名前くらいは憶えてるし。

しかし、そこ止まりだ。てゆーか、これで十分でしょ。


まぁしかし、男子は男子でいろいろ大変そうで、
女子の気を引くために余念がないのが幾人かいるようだ。

で、そこに括っていいのかわからんのが一人。
ストレッチをしている男子の中で目立つちっこいの。
いつもテンション高めの万年トーク男。
名前は権藤。男子の間では「ゴンちゃん」と言われている。
クラスに一人はいるお笑い担当だ。
しかし如何せんギャグが寒い。寒すぎる!氷河期だ!!
・・・まぁそこが微妙な笑いを生んでいるのも事実だが。

権藤は男女関係なくギャグを振りまく。
大抵はウケないのだが、一人だけ笑うヤツがいる。

「おー、ゴンスケは柔軟もハンテンションだな。」

それがこの女、みかちんである。
みかちんこと大町姫美香(おおまちきみか)は、
クラスで唯一、権藤のギャグで爆笑する。
一度、なぜ笑えるのか尋ねたことがあった。
返ってきた答えは、

「だってダメダメじゃん。笑えるさねー。」

だそうだ。
みかちんも純粋にウケているわけではなさそうだ。

ふと気がついた。
しゃべり続けるちっこいのの隣にいるひょろ長いの。
権藤の背の低さをさらに強調するような長身。
そーいえば、権藤の隣にいつもいるような気がする。
名前は・・・あーそうそう、中垣だっけか。
背ぇ高いなー。中2にして170以上はあるんじゃないか?
あと、色、白いなー。短パンから出てるあの脚、なんだよ!
くそー・・・

じっと見ていると、あたしの視線が刺さったのか、
中垣がこっちを見た。
いや、ヤツは緩やかに下がった糸目なので
見ているかどうかは謎だ。
多分、見ているのだろう。(こっち向いてるし)

目があった(のだろう)。
ちょっと間があった。
中垣は、ゆるっと笑って(には~って感じ)、
こちらに向かってVサインをした。

なんだそれはっ!?
心の中でツッコミを入れるあたし。

しかも思わずVサインを返してしまった!
なんなんだ中垣。なんなんだあたし。

「ん~? ついにちゅーかにも、気になる男ができたか?」
「え~、ホント~? だれだれ~~?」

あたしのポニーテールの根元を握って
ぶるんぶるん回して遊んでいるみかちんと、
キラキラと目を輝かせる亜子が後ろに立っていた。

「いや違うって。だってあいつの脚、白くて細いんだよー。
 反則だよー。すね毛だって生えてないし。」
「おー、ちゅーかはガキさん狙いだったのかー。」
「おお~~、中垣クン!」

ぐわ、しまった!

「あーもー、違うっちゅうに!」
「まぁまぁ。」
「どうどう。」
「あたしは馬かっ!」



放課後は部活。
てゆーか、帰宅部の活動内容は帰宅。
あたしは亜子と一緒に学校を出た。

あたしの家はさほど遠くない。
徒歩で10分程度だ。

「今日も寄ってく?」
「そだね。おじゃまします。」

亜子の家は、学校とあたしの家との延長線上にある。
だから亜子がうちに寄っていくのはほぼ日課に近いものがあった。
うちのお母さんは、亜子がいない日もコーヒーを2杯いれたりする。

「あら、今日は亜子ちゃんいないの?」

露骨に残念そうな顔をする母。

「あたしに娘がいたら、亜子ちゃんみたいな子がいいわねぇ。」

では、あたしはあなたの何なのだ。
温厚な娘も、終いにゃ殺意を覚えますよ?
ま、今日は残念ながら母は留守なので、
亜子を愛でることはできないのであった。


「ほーは、ひはひふはひっほはははっはへ。」
「え?」

亜子が口へ運ぼうとしていたコーヒーカップの動きが止まった。

「ひはひふはへー。」

あたしの口に挟まれている3本のえびせんが
ゆらゆらと揺れる。

「悪いけど、地球語でしゃべってくれる?」

あたしはポリポリとえびせんを噛み砕くと、
嚥下してコーヒーを一口流し込んだ。

「ごめんごめん。
 や、今日はみかちんは一緒じゃなかったねー、って。」
「あー、みかちんは今日は『お笑い研究会』だよ。」
「・・・おわらいけんきゅうかい・・・」

あたしは感嘆符も疑問符もない温度のない声で言った。

「なんじゃそりゃ。」
「『お笑い』を『研究』する『会』だよ。」
「なるほど、どうもありがとう。」
「どういたまして。」

ペコリとお辞儀をしあう二人。
・・・なめてんのか、友よ。

「なんかね、権藤君ちで借りてきたお笑いタレントの
 DVDを見るらしいよ。」
「はぁ? つきあってんのか、あいつら!」

ふと見ると、亜子は両手に1本ずつえびせんをつまんだまま固まっている。
視線の先は手に持ったえびせん。

「ど、どした?」

手に持ったえびせんをゆっくりと動かし、
両目の前に1本ずつ横向きに掲げる。
そして極上の笑顔でこう叫んだ。

「えびせんビィーーーム(ハート)」

2つのえびせんは、亜子の可愛らしい手によってあたしの口に運ばれる。
あたしはえびせんをショリショリと咀嚼しながら、
亜子の友達であることを神に感謝しつつ、
女として生まれたことを呪い、後ろへ倒れる振りをした。

「や、やられたぁぁ~~!(いろんな意味で)」
「あはは、やったぁ♪」

くそう、この『えびせんビーム』もいずれヤツのものになるのか。
おのれ、神代め。

そして亜子はいそいそと、2発目の『えびせんビーム』の準備をするのだった。
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コメント

良いですのぉ

勘違いでなければ、さわりのあたりは前に見せてもらった気がするのですが。いやぁ、良いですねぇ。かわいらしいし~キャラ立ってるし。ちゅーかちゃんがモロ好みだ(笑。だが、えびせんビームも喰らいたい(笑。

  • 2010/02/08(月) 22:00:12 |
  • URL |
  • つー #-
  • [ 編集 ]

どもですー

>つーさん
ええ、その通りです。
だいたいのはつーさんに見てもらってるはずです(笑)
しっかりしてそうで、実はそうでもないのが
ちゅーかのいいとこかもしれません(^^;

  • 2010/02/11(木) 21:25:48 |
  • URL |
  • なかがわ #-
  • [ 編集 ]

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